氷狼―コオリオオカミ―を探して
「群れの規模は四、五十頭ってとこだね」

狐の一人が言った。

「普通の群れの三倍はいる」


「これだけの寒気だ、それくらいいても不思議ではないな」

チェイサーが言う。


「三倍なのは群れの規模だけじゃない」

「そう、それだけじゃない」

「あの足跡ならね」

「きっとね」

「大きいはずだ」


狐が口々にしゃべりだしたので、チェイサーは手を上げて制した。


「一度にしゃべるな」


「オイラがしゃべる」

一人が他の仲間に言った。

「一番大きな足跡は、他のものの三倍はあった」


「それはまたでかい獲物だな」


「街は食い物だらけだよ。あれじゃあ、でかくなるのも早い」
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