氷狼―コオリオオカミ―を探して
確かにここ数年間の天気は変だ。

記録的な寒波が何度もきたり、大雪が降ったり。


「人間のせいで環境破壊が進んでるって事だよね?」


あたしが言うと、狐達は笑った。


「その言の葉自体が人の子の傲慢さ」

「そうそう。人の子ごときに世界は変えられぬ」

「黙っていてもすべては変わるもんさ」

「良くも悪くも」

「同じであり続けるのがいいとは限らない」


「何があっても、俺達は冬を狩るだけだ」

チェイサーが言った。

「氷狼がこれ以上大きくならないうちに狩りを始めよう」


「今夜だね?」

狐が言った。


「ああ。日暮れと共に狩りを始める」


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