氷狼―コオリオオカミ―を探して
3
日没がくる。
あたしはチェイサーに『好き』とは言えなかった。
本当にそうなのか、あたしだって確信を持てずにいるんだもの。
「上からの眺めはどうだったね?」
下に戻ったあたしにイタチがきいた。
「キレイだったよ」
チェイサーのアイスブルーの瞳も
「何もかもが白銀の世界で」
チェイサーの髪のように
――ダメ あたし重症だわこりゃ
「チェイサーはずいぶん念入りに冷気を入れたと見える」
イタチはクックッと笑った。
「唇が紅いな、トムボーイ。まるでたっぷりと口づけされたようだ」
えっ、嘘!
顔が熱くなった。
「ほう、あの堅物でも娘に心動かされることがあるのだな」
イタチは面白がるように、少し離れた場所で狐達と話しているチェイサーに目をやった。
あたしはチェイサーに『好き』とは言えなかった。
本当にそうなのか、あたしだって確信を持てずにいるんだもの。
「上からの眺めはどうだったね?」
下に戻ったあたしにイタチがきいた。
「キレイだったよ」
チェイサーのアイスブルーの瞳も
「何もかもが白銀の世界で」
チェイサーの髪のように
――ダメ あたし重症だわこりゃ
「チェイサーはずいぶん念入りに冷気を入れたと見える」
イタチはクックッと笑った。
「唇が紅いな、トムボーイ。まるでたっぷりと口づけされたようだ」
えっ、嘘!
顔が熱くなった。
「ほう、あの堅物でも娘に心動かされることがあるのだな」
イタチは面白がるように、少し離れた場所で狐達と話しているチェイサーに目をやった。