氷狼―コオリオオカミ―を探して
「どうだね、トムボーイ。いっその事、我らとずっと冬を狩っては?」
「あんた達の仲間になれって事? 御免だわ」
「いやいや、チェイサーの恋人になれという事だ」
「それもできない」
「あれは孤独な男だ。楽しむ事を忘れてしまっている。あなたの時間を少しくれないか?」
イタチは食い下がるように言った。
「せめて一冬か二冬」
「中途半端な事ならしないほうがいいと思わない?」
一瞬、心は動いたけれど、あたしは首を横に振った。
「忘れるあたしはまだいいけど、彼はどうなるの?」
「何もないよりましという事もあるぞ」
「それを決めるのはチェイサーだよ」
「あなたが残ると言わぬ限り、あれはあなたに帰れと言うだろう。たとえ心が違う望みを叫んでいても」
イタチは哀れむように言った。
「それを心に留め置いていておくれ、トムボーイ」
「あんた達の仲間になれって事? 御免だわ」
「いやいや、チェイサーの恋人になれという事だ」
「それもできない」
「あれは孤独な男だ。楽しむ事を忘れてしまっている。あなたの時間を少しくれないか?」
イタチは食い下がるように言った。
「せめて一冬か二冬」
「中途半端な事ならしないほうがいいと思わない?」
一瞬、心は動いたけれど、あたしは首を横に振った。
「忘れるあたしはまだいいけど、彼はどうなるの?」
「何もないよりましという事もあるぞ」
「それを決めるのはチェイサーだよ」
「あなたが残ると言わぬ限り、あれはあなたに帰れと言うだろう。たとえ心が違う望みを叫んでいても」
イタチは哀れむように言った。
「それを心に留め置いていておくれ、トムボーイ」