氷狼―コオリオオカミ―を探して
ホントだ

言われて初めて気がついた


二つの面のうち片方は目の縁が青、もう片方は赤。


見渡すと、他にも目の大きさが違ったり垂れ目だったり。

イタチの面だってそれぞれ特徴がある。


「へぇー、分かんなかった」


あたしが感心したように言うと、狐はニヤリと笑った。


この表情のある面にだけはなじめないな


「それをつけるのって何か意味があるの?」


あたしの問いに赤目狐がうなずいた。


「もちろんさ。一つには狩りの時に顔を守るため。もう一つは氷狼を撹乱させるため――あいつらは色が分からないから見分けがつかないのさ」


「狐とイタチの違いは何?」


「これは、部族を表してる。このグループには俺達だけだが、他の面の部族もいるんだ」
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