氷狼―コオリオオカミ―を探して
「日没だ!」

誰かが言った。


「狩りだ!」


「狩りの始まりだ!」


鬨(とき)の声が上がる。


「狐火を燈せ!」


「風を吹き鳴らせ!」



「弓を持て、トムボーイ」

赤目狐が短剣を手にして言った。

「狩りを始めるぞ」


狐達はそれぞれ短剣を一本口にくわえ、さらに両手に一本ずつ持って、見事な宙返りをして変身した。


体長は大型犬くらいはあろうか。

鋼の牙と爪を持つ白い妖狐があたしの周りを飛び跳ねる。


「弓を持て、人の子!」


狐達が言う。


あたしは弓と矢筒を担いだ。


「来い、チビ」

チェイサーがあたしを呼んだ。

「氷狼を捕まえるぞ」
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