氷狼―コオリオオカミ―を探して
「うわっ!」


あたしはとっさに弦をいっぱいに引いて、矢を氷狼に打ち込んだ。

狼の耳元をかすり、矢が飛んでいく。


「落ち着け」

チェイサーが剣で氷狼の前足を払った。

「俺は右側に跳んできたのを倒す。左側は任せたからな」


なんだってぇ!

そんな簡単にいうなよぉ


「弓をいっぱいに引くな、トムボーイ!」

イタチの声がした。

「接近戦だからそれほど狙わなくとも当たる。その弓なら耳の横まで引けば十分だ」


はあ、さいですか

先に言ってよ

こっちはド素人なんだから!
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