氷狼―コオリオオカミ―を探して
「繭みたい」
「そうだな。春に解けて消えるものもあるし、頑なに何年もぶら下がっているものもある」
「人間の気持ちと一緒だね。あたしの感情もあるかな」
「あるかもな。氷狼が腹を壊すかもしれんが」
言ってくれるわね
「チェイサー」
あたしはちょっとためらった。
でも、やっぱりききたい。
「あんたは人間だったってホント?」
「ああ」
「あんたはどうして人間に戻らなかったの?」
「俺は元々死にたかった――いや、ちょっと違うかな。死にたかった訳じゃないが、生きていたくなかった」
「よく分かんない」
「お前は分からなくていい」
チェイサーはまた足元を見ながら歩きだした。
「そうだな。春に解けて消えるものもあるし、頑なに何年もぶら下がっているものもある」
「人間の気持ちと一緒だね。あたしの感情もあるかな」
「あるかもな。氷狼が腹を壊すかもしれんが」
言ってくれるわね
「チェイサー」
あたしはちょっとためらった。
でも、やっぱりききたい。
「あんたは人間だったってホント?」
「ああ」
「あんたはどうして人間に戻らなかったの?」
「俺は元々死にたかった――いや、ちょっと違うかな。死にたかった訳じゃないが、生きていたくなかった」
「よく分かんない」
「お前は分からなくていい」
チェイサーはまた足元を見ながら歩きだした。