氷狼―コオリオオカミ―を探して
小学生?

ううん、中学生かも


淡い水色の入院着を着た女の子が、膝を抱えて座っている。


「静かにしてよね」

女の子は険しい目をして言った。


「ゴメン」


あたしは体を揺すって狭い場所から抜け出して、女の子の前に座った。


「あなた本体ね」

女の子が言った。


「本体?」


「本人ってこと。わたしは心の中の自分なの。体は別の所にいるのよ」


「あ……そうなんだ。でも、ここにいたら氷狼の餌になっちゃうよ」


「いいの。むしろ食べてもらいたいから」
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