もっと早く‥
放課後



私は玲美と学校を後にした。





「ねぇ、紗夢ちゃんって好きな人いる?」


「…いない。」





いない。







「そうなの?モテるのに?」


「え?」





誰が?




「紗夢ちゃん兄弟いる?」


「…いない。」


「え?‥そう。」





私は真っ直ぐ前を向いたまま答える。





玲美は私を見てるのが横目でわかる。





「紗夢ちゃん、うちに寄ってってよ。」


「‥うん。」






玲美の家は学校から徒歩5分のところにあるマンションだった。
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