もっと早く‥
私は兄を睨み続けた。





すると兄は強引に中に入って来た。





「いい暮らししてんなぁ。さすが財閥の息子だ。」



「っ‥え?」



「お前知らないで暮らしてたのかぁ?」






クスッと笑う兄はリビングのソファにドカッと座った。







幸大が財閥の‥?





でもお父さんはお母さんを殺して‥。





そんな人に頼ってここに暮らすだろうか?





「紗夢、来い。」





兄は自分の隣をトンと叩いた。







私はゆっくり歩みを進めた。
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