もっと早く‥
vol.5
――――――――――――‥

学校に来ると玲美が私の席の前の席に座った。




「おはよ、紗夢。」





今日もにっこり笑顔。





「おはよ。」





私は無表情で返す。






明日からは夏休み。





クラス中が浮き足だっている。





私は憂鬱でならない。






兄が家を知ってしまった。







もう逃げられない。












このとき、これが最後の登校になるとは思ってもいなかった。
< 127 / 313 >

この作品をシェア

pagetop