もっと早く‥
――――幸大SIDE―――――

「玲美、自分の家に帰れ。」


「いいじゃない♪夏休みなんだし。」





俺は大袈裟にため息をついた。






学校を出てから玲美は俺の腕を離さない。






紗夢はもう帰っただろうか。






昨日も結局玲美の我儘に付き合って帰るのが遅くなった。






今日もとなると正直面倒だ。





「玲美、離せ。」


「いやっ!」


「…。」




どうしたもんかな、これ。





「幸、アイス食べに行こう!」


「…。」





俺は心の中で舌打ちをした。






俺は帰りたいんだけど。


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