もっと早く‥
「帰ったらいなかった。」


「どっか出かけてるんじゃないのか?」



「いや、違う。」






鍵を置いたまま出掛けるようなことはしない。






それにテーブルの上には飲みかけのコーヒーがあった。






携帯も鞄の中にしまったまま、恐らく、帰ってすぐに紗夢は誰かに連れ出されたんだ。








でもマンションは厳重な警備体制。







まず鍵か暗証番号を知らなければ中に入れない。






となると客を装って中に入ったか?






いや、紗夢は誰もいれない。






居留守をつかうはず。
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