もっと早く‥
紗夢の兄貴は俺の顔を覗き込む。





「ふざけんな‥。」


「あぁ?何だって?」


「ふざけんなって言ってんだよ!!!」






俺はバカ兄貴の胸倉を掴んだ。






「殴ったらどうなるか、社長ならわかるよな?」



「っ‥。」






クソッ。







俺はバカ兄貴から離れた。







「帰れ。」


「あぁ。言われなくてもそうする。」







バカ兄貴はハハハと笑って出て行った。






俺は何もできないのか?





紗夢のために‥。
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