もっと早く‥
あいつんちに来ると、あいつは悠長にテレビを見ながらコーヒーを飲んでいた。





「幸、やっくん、どうしたの~?」






俺はそいつの目の前に立ちはだかった。








「紗夢をどこへやったか言え。」



「はっ。またその名前。」






そいつは嫌気がさしているかのような言い草で言った。







「私は男を送っただけ。後は男に任せてあるの。知る訳ないでしょ。」






クスッと笑ってコーヒーを口にする。






「ここでお前を殺してもいいんだぞ。」



「っ‥!」



「おい幸大!」





ヤスが俺の肩を引く。






俺は真っ直ぐそいつを見た。




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