もっと早く‥
「すみません、ご家族の方にお話があります。」


「はい‥。」







バカ兄貴は警察に呼ばれ部屋を出て行った。






俺は紗夢のそばに近づき、そっと頭を撫でた。







「紗夢‥。」






ごめんな‥。守ってやれなくて。






「幸せにするって約束したのにな‥。」






悔しくてたまらない。







込み上げてくるものがありすぎて息ができない。








俺はそっと紗夢に口づけをした。








冷たくなった紗夢の唇。
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