もっと早く‥
体は硬直している。






「紗夢‥。俺にはお前が必要なのに‥。」






紗夢はそれでも目を覚まさない。







「お前に伝えたいことがあったのに。」






俺の頬を流れる涙。






「紗夢‥結婚しよう。」







紗夢はまだ夢の中らしい。






俺の問いかけに答えない。







お前の誕生日にプロポーズをと考えていた。







でも‥遅かったみたいだ‥。







何もかも。
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