もっと早く‥
「幸大。」





声のする方を見ると父親が草花を持って立っていた。






「父さん‥。」



「覚えてたのか。」



「‥あぁ。」





忘れるわけがない。






父さんが母親を‥。





父さんは草花を手向け手を合わせた。







俺は小さくなった父親の背中を見つめていた。









「母さんをどうして‥。」






そこから言葉が出てこない。






「母さんは自殺だった。」
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