もっと早く‥
「父親は権力で事実を伏せた。」


「っ‥。」


「そんな父親が嫌いだ。」


「…。」





幸大の目は遠くを見つめ、睨んでるかのようだ。







「紗夢。俺には話してくれないか?」






そう言って私を真っ直ぐ見つめる幸大。





「どうして。」



「俺に頼ってほしい。」



「…。」





どうすることもできないよ。






私の体はもう…。






「紗夢。」





幸大はそっと私を抱きしめた。






暖かかった。



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