もっと早く‥
「お前は社長だ。お前がしっかりせんでどうする?」


「…。」


「しっかりやれ。わかったな?」


「っ‥父さんっ‥。」


「男が泣くな。」





口調は厳しくとも顔はとても優しかった。







普通俺らの歳の奴らは親なんてウザいだけだとか思うだろう。






でも俺と父親の時間は小学生の頃から止まったままだ。






「頑張れよ、幸大。」




そう言って子供を扱うかのように頭を撫でた。






俺は子供に戻ったかのように泣いた。






ボロボロ泣いた。





声を押し殺して‥。
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