もっと早く‥
「大事にしてやれよ。」


「うん。もちろん。」


「じゃ、俺はここで。」


「頑張ってね。」


「あぁ。」







俺は軽く手を挙げ、その場を後にした。








紗夢‥。







―――――――――――‥



仕事を終え帰宅した頃にはもう日が変わっている。






俺はネクタイを緩め、紗夢が使っていた部屋に入った。






部屋はあの頃のまま。





「俺は全然進歩してないな‥。」





時間は止まったままだ。








俺は紗夢のベッドに座った。



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