もっと早く‥
兄とは比べようにもならないくらい。






暖かかった。







「幸大…。」


「ん?」





優しく囁く幸大に心が脈を打った。






「助けて‥。」


「っ…!」





そっと離れた幸大は私の顔を覗き込んだ。






幸大の顔を見ると涙が溢れる。





「どういうことだ?」






私は俯いた。





それ以上は言えない。






ただ‥助けてほしい。







心だけは。
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