もっと早く‥
「じゃぁ、幸くん。」


「ん。夏音って何歳?」


「今年20歳です。」


「へぇ。大人っぽいんだな。」






すると恥ずかしそうに俯く夏音。






「幸くんは何歳ですか?」


「俺は今年22になる。」


「あ、誕生日いつですか?」





夏音は俺を真っ直ぐ見つめてきた。






「8月12日。」






紗夢の命日だ。










だから俺は誕生日を祝わなくなった。








「じゃあもうすぐですね!」


「‥あぁ‥。」
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