もっと早く‥
―――――――――――‥

数ヵ月後





「社長‥お客様です。」


「誰?」


「それが‥。」





秘書の後ろから現れたのは忘れもしない―――――――。






「お久しぶり。」


「…。」






紗夢の実の兄だった。






俺は秘書を出て行かせ、ソファに座った。





「何の用です?」


「フッ。ちっとも変ってないなぁ。」





そう言って俺と向かい合うようにソファに座り、脚を組んだ。






「用がないなら出て行ってください。」


「つれないねぇ。仕事の話だよ。」





俺は紗夢の兄を見つめた。
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