もっと早く‥
――――――――‥

学校だけが唯一の癒しの場所。





「紗夢~、聞いてよ。彼氏がさぁ~。」



「美幸の今の彼氏ってどの男?」



「香織~!」






そんな会話を目の前で繰り広げる二人。






「クスッ。」


「「!!!」」




私は思わず笑っていた。





二人は私を見て固まった。





こんな小さな幸せも心を失ったら感じなくなるのかな…。





「紗夢が‥。」


「…笑った…?」





二人は互いの顔を見た後、叫んだ。




「「紗夢が笑った―――――!!!」」




私は二人を見て固まった。







私‥まだ笑えるんだ‥。
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