もっと早く‥
香織が私の前に幸大を連れてきた。





「紗夢。」





幸大は無表情のまま。





あのとき見せてくれた微笑みはない。






私は目を逸らした。





「紗夢。話がある。」





幸大は私の腕を引いて歩き出す。






私は席をガタンと立って幸大について行った。







屋上に出て幸大は私の方を向いた。







「紗夢。この間ホテルに入った男は彼氏か?」



「っ!」




私は幸大を見上げた。
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