もっと早く‥
放課後、私は幸大と学校を後にする。






そして校門を出たとき、兄はいた。






私の足は勝手に止まる。






「紗夢、大丈夫だ。」






幸大は私の手を握り歩く。





「紗夢~。」





兄が私の前に立った。





「彼氏か?」




私は俯いて目を瞑った。




「そうです。ですから、お兄さん、紗夢は俺のものです。」






隣から聞こえた怒ったような笑ったような声。







私は幸大を見上げた。
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