もっと早く‥
「紗夢~。二度と家に帰らないつもりか?」


「はい。」


「あいつの家にいるのか?」


「…。」


「そうなんだろ?」


「あなたには関係のないことです。」





兄からだった。






もしこの家がバレたら、どうなるんだろう‥。







「紗夢~戻って来い。な?」


「失礼します。」





私は強引に電話を切った。







イヤだ。









あんな家戻りたくない。








あの家に私の見方はいない。







父も母も、兄の行為を知ってて何も言わない。
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