もっと早く‥
私より、兄の方が大事だから。







あの家に私の居場所はないの‥。






「紗夢?」



「っ!!」






幸大の声で我に返った私。





全然気づかなかった。






「紗夢大丈夫か?」






私の隣に立ち、おでこを触る幸大。





私は目の前がぼやけた。






優しさに触れるとこんなにも苦しくなる。






「熱はないな。」



「…。」
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