もっと早く‥
「本当に好きになった人と付き合ったら?」





私はそんなことを口走っていた。




「「…。」」





二人はぽかんと口を開け私を見つめた。






「紗夢?」



「もしかして紗夢好きな人できた?」



「誰誰!?」






二人は身を乗り出して私の顔を見る。




「いない。」


「うっそだぁ!」


「ホント。」


「紗夢、私たちには言って?秘密にするし。」


「本当にいない。」





私はコーヒーを飲んで目を逸らした。






好きな人なんて‥いない。
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