もっと早く‥
――――――‥

放課後、学校を出ると、兄がいた。





「っ‥。」


「紗夢、彼氏は今日は一緒じゃねぇんだ?」





私の顔を覗き込む兄。






私は目を逸らした。






「フッ。どうせ彼氏じゃないんだろ?」


「…。」


「お前が彼氏をつくるとは思えない。」


「決めつけんな。」





低い声が後ろから聞こえ、私と兄は声の方を向いた。





「幸大っ‥。」


「じゃあ本当に付き合ってんのか?」


「あぁ。」




幸大は私の前に立ち、兄と向かい合った。




「じゃあお前知ってんだろ?こいつが子供産めない「やめて!」


「‥え?」


「あれ、知らないの?お前。」




兄は幸大を挑発するように見た。
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