もっと早く‥
幸大は私に駆け寄る。




「やめろ!!」


「離してっ!!」


「バカ!」





幸大は私の手からカッターを奪った。







「いやっ…!」





私はいらない子だったの‥。






誰にも必要にされない‥子なの‥。






だから、“ここ”にいても…。





「紗夢っ!」





幸大は私を強く抱きしめた。







「うっ…うぅっ…」


「死ぬな。」






さらに強く抱きしめる幸大に胸が苦しくなる。
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