もっと早く‥
振り返るとヤスがいた。




「お前っ‥泣いてんのか‥?」





ヤスは私の顔を覗き込んできた。






私はヤスに背を向けた。






「泣いてない。」



「たく。素直になれよ。」



「何が。」



「それ。本当は幸大が好きなんだろ?」



「…。」





ヤスは私の隣に立ち、校庭を見下ろした。






「フッ。バカみたい私。」


「っ‥紗夢が、笑った。」


「素直になれたらどんなに楽か‥。」





でもできないよ‥。






それに、相沢さんが‥。
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