もっと早く‥
自分がこんなに子供だと思わなかった。






「ヤス、教室戻らないの?」



「紗夢は?」



「ここにいる。」






私は地面に座った。






ヤスは私の横に胡坐をかいて座った。






「俺美幸と付き合いだしたんだ。」


「そぅ。」


「幸大と同じ反応すんなよ。」





ドキッ。





幸大と‥。





私は目を泳がせた。






「それが喧嘩ばっかでさぁ。」


「‥いいよ。」


「え?」


「好きな人を失うより、いいよ。」






好きな人に好きとも言わずに忘れようとするより、よっぽど‥。
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