25番の背中
天下無敵の野球馬鹿

引っ越し途中の事故






――――うっ……




………う〜ん…―――





私が目覚めたのと同時に、頭までかけていた毛布が落ちる



急に視界が明るくなり目を細める


周りの明るさに目が慣れるまで
さほど時間はかからなかった。




それから直ぐ、自分が車の中にいるのに気付いた




あっ、そっか。

引っ越ししてたんだっけ。


見慣れない車内

引っ越しのトラック助手席で寝ていた。



トラックの微かな揺れと共に自分の体も揺れる



長時間座っていたせいか、少しお尻を痛く感じながらも
倒してシートを元に戻した。



『おっ、目ぇ覚めた?』



「あっ、はい」



トラックを運転している
引っ越しセンターの人が
一瞬 こちらを見て言う


『今 広島だからねぇ〜、あと 2時間ぐらいかなぁ〜』



「そうですか――…」



車内の時計を見ると、昼の12時すぎ


8時に福岡にある家を出発してから約4時間が経過していた



寝る前までは渋滞だった道も

今では車が減り、トラックは快調に高速道路を走る




まだ、ボーっとしながらも私は福岡の友達のことを思い出していた




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