さよなら、記憶
「俺んち、ここ上がってすぐだからここでいい」

俺の家は一人暮らしに最適なアパート。

二階に住んでるけどさすがに部屋の前まで送ってもらうのは悪い。


「そうか?じゃあ、また後でコムるな!」

「おう、っじゃあな」


いつも通りの別れをして玲太と離れる。

玲太の体温が暖かかったのか、急に寒くなったような気がした。


ふらふらする足を気にしながら階段を上がっていく。

一段一段、近所の人を起こさないようゆっくりと。



だけど、―…



「…」


酔いで意識が朦朧とし、足を滑らした。

後1段ということに油断したことも原因だった。


「真季!!」

玲太の声が聞こえた。

そこではっとしたときはもう遅かった。















落ちていく中暖かい体温を感じた
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