P a i n .
F i r s t.
嘆き
─カチッ…ジュボッ
煙草の嫌な音と匂いで、僕の目は覚めた。
体をゆっくり起こし、眠い目を擦り、辺りを見る。
…相変わらず、ここは嫌な場所だ。
目の前にいる、汚い女を見て、心の中で舌打ちをする。
目の前にいる女は起きた僕に気付くと、低い声で言った。
「涼、起きてたの?」
涼、とは僕の名前だ。
「……ああ。」
間を置いてから僕がそう言うと、女は立ち上がった。
財布から金を出し、乱暴にテーブルの上に置いた。
「じゃ、これ、今日の分。」
僕は、首を縦に振った。
それを確認してから女は、家から出ていった。