P a i n .
陽が沈んできた。
綺麗な青い空だったが、気付けば橙色に変わっていた。
陽菜先輩が時計を確認して、声をかけた。
「時間だから片付けしてー!」
「はーい!」
その声と共に、みんなが動き出した。
遅れを取らないように、僕も動いた。
「涼、準備室に看板しまってきて。」
怜先輩にそう言われ、僕は小さくはい、と返事をした。
準備室、あんまり好きじゃないんだよな。
縦に長い看板を持ち、準備室へと向かった。
─準備室
1つ下の階にある準備室につき、中を開けようとした時だった。
─ガタガタガタッ
中から、何か物音が聞こえた。
確かここは、誰も使っていないはず…。
背中に、妙な汗が伝った。
唾をごくりと飲んだ。
何か、いる…───。
生憎、この階には僕しかいない。
何かあったら、…まずい。
この際もうどうでもいい。
連れていかれるのが本望だ。
僕は息を殺しながら、そっとドアに手をかけた。
そして、勢いよく開けた。