P a i n .




 「……。」

 「……。」


僕は、勢いよく閉めた。


 「おーい、何で閉めるんだよ。」


中から、あの男の声が聞こえる。


そりゃあ、誰でも閉めると思う。

上半身裸なんだもの。


怜先輩に何て言おう。

適当に言い訳…するか。


あれは見えなかったことにしておこう。

そうすれば頭がスッキリするはずだ。

僕は、立ち去ろうとした。


 「おい、未遂女。」


振り向くと、いつの間にいたのか、あの男がいた。


 「何ですか。」


ぶっきらぼうにそう訊くと、彼は笑い出した。


 「看板置きに来たんでしょ? 邪魔して悪いな。」


何で笑っているんだ。


 「あ、はい。ありがとうございます。」



適当に返事をして、いそいそと定位置に看板を置く。


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