P a i n .
あの女がドアを閉めたのを確認してから、僕は背伸びをした。
…また、今日も学校か。
ゆっくり立って、僕は身支度を始めた。
─…学校なんか、なければいいのに。
心の中で何度もそう呟きながら、準備を進めた。
一通り準備が終わると、さっき女が置いた金を財布に入れ、家を出た。
「おはよう、涼ちゃん。」
「おはようございます。」
近所のおばさんが、笑顔で挨拶してくれた。
…ちゃん付けで呼ばれるのは、正直好きじゃない。
まあ、僕は女の子だから仕方がないけど。
心の中で文句を言いながら、早足で歩く。
路地を抜けると、すぐに学校が目に入った。
─板崎中学校。
ここが、僕の学校だ。