P a i n .



 「あらら、怖いことするね~。
 可愛い子だと思ったのに。」

モニターを見ながら、ソファーに横になる茶髪が言う。

 「バカ言え。どこがだ。」

黒髪の男は、机で作業をしながら言葉を返す。


 「…で、やっぱりやっちゃうの?」

 「やらない訳ないだろ。」

 「ったく~、琉(リュウ)ちゃんは怖いね~。」

後ろから抱きつく茶髪に、静かに男は言う。

 「離れろ、奏(ソウ)。
 それに琉じゃなくて琉威(ルイ)って言ってんだろうが。」

奏、と呼ばれた男は口を尖らせる。

 「琉ちゃんってばツンデレなんだから~。
 俺は先に寝るよ?おやすみ。」

 「ああ。そのまま眠りから覚めないことを祈るわ。」


 ─パタン…


ドアが閉まる音を聞いてから、背を伸ばした。


そして、小さく口角を上げた。


 「涼、ね。
 さぁて、どうやろうか。」


ノートを閉じ、自室へと琉威は歩いていった。



< 21 / 22 >

この作品をシェア

pagetop