P a i n .
もう、めんどくさいや。
さっさと身仕度を済ませて、僕は教室を出た。
─キーン コーン カーン コーン…
一時間目の開始を知らせるチャイムが鳴っている。
僕はそれを聞きながら、街の景色を眺めていた。
本当に、この景色は現実なのだろうか。
僕の見ているこの世界は、本当に存在しているのだろうか。
最近、妙な感覚が自分を襲っている。
ありふれた光景が、おかしく感じる。
目に映っているこの景色が、おかしく感じる。
…おかしいまま、この世界から消えてしまいたい。
生きたくもない。
死にたくもない。
誰にも気付かれずに、そっと消えたい…──。
この願いばかりが、僕の頭を駆け巡る。
いつか簡単に逝ってしまいそうで、たまに怖く感じるが。