P a i n .
意味
─…二時間目が終わった直後。
僕は教室へと戻った。
「涼、どこ行ってたのさ~!」
朝と同じように、トコトコ歩み寄ってくる瑞希。
「ちょっと頭が痛かったから気分転換してきた。」
おどけた感じに、軽くそう言った。
「大丈夫? 涼、あんま抱え込んじゃダメだからね?」
「ありがと。」
抱え込む、か…。
簡単に、言わないで。
気付かれないように、ぎゅっとスカートの裾を握った。
「じゃあ、そろそろチャイム鳴るから戻るね。」
「うん、バイバイ。」
僕と瑞希は、席に着いた。