P a i n .
「ねぇ、瑞希。」
「んー?」
自分の席で突っ伏していた瑞希に話しかけた。
「窓側の席のあの男、転校生?」
「え、涼知らなかったの!?
……まあ、知らないのも無理ないか。」
一瞬だけ僕は眉をひそめたが、彼女は気にせず話を続けた。
彼は転校生らしい。
人気モデルをやっていて、学校に来ることはあまりないらしい。
きっと涼が保健室とかに行ってた時に来て、
すぐ早退したから分からなかったんだと思うよ、と瑞希は話していた。
なるほど。だからか。
あいつを見てみると、机にうつ伏せになっていた。
…女子がまとわりつかないのは、あの雰囲気だからだろうな。
瑞希は、
あのクールな雰囲気がカッコいい!
と話してはいたけれど、僕はどうも好きになれない。
─…なんで、屋上にいたんだろう。
─キーン コーン カーン コーン…
チャイムが鳴り、礼を言ってから僕は席に戻った。