恋の魔法
「あれ?こうだっけ…」
教えてもらった記憶を辿りながら必死に鏡に向かってメイクをしていた。
「沙織?何してんのー」
お母さんの声がした。
「ぇっ…た、たまにはお化粧してみようかな…とか?」
初めてのメイクだしなんとなくお母さんに言うのが恥ずかしくて噛んでしまった。
あー…きっと家のお母さんのことだから面白がって何か言うだろうな。
「いや~青春ね、うふふ」
やっぱり…
ニヤニヤとこちらを見てきた。
「ちょっと、お母さん!」
「頑張ってね、あっ!それと…髪型似合ってるわよ」
今さら?
とも思ったけどやっぱり嬉しかった。
「ありがと」