恋の魔法
新しい私
全力疾走で学校の門をくぐり抜けると
「誰、あの子」
「可愛いなぁ」
「うちの学校にあんな子いたっけ?」
「転校生か?」
ひそひそと生徒の声が聞こえてきた。
ん?
そんな可愛い転校生なのかな…
どこだろう…
そう思いながら
ぐるぐる周りを見ていると
「おい!」
聞き慣れた声が聞こえてきて振り向くと、ドアップで今にもキスが出来そうな距離に蘭がいた。
「ひゃっ…」
「なんて声出してんだ。キス…されるとでも思ったか?」
「っ…んなわけないでしょ!」
本当にムカつく奴だ…
「まぁ、お前にキスするとかありえないけどな!お前見てても女を感じねーし」
ズキッ…
あれ?
なんだろう…
胸に痛みを感じた。
「…っ逆に意識されても困るわよ。私は玲くん一筋なんだからっ」
そう自分に言い聞かせるかのように蘭に言い放った。