ともだちってなんだろう
「ホント、ウケる!」
「あんなにキレイにこけるなんてねぇ」
楽しそうな女子の声。
あわててその方向に目をやるけれど、
みんな同じように楽しそうに笑っていて
誰がその言葉を発したのかは
わからなかった。
けれど、ひとつだけ気付いたことがある。
きっと、如月さんが
転んだのは
偶然なんかじゃない。
このクラスには、
何かが、ある――――――。
思春期の直感、とでもいうのだろうか。
大人が得意な「理由を説明して?」
という言葉には
どう頑張っても答えられないけれど、
確かに、そうなんだ。と思える。
あたしはもう一度、
みんなからもらったお守りを
ポケットの上から
握りしめた―――――。