ともだちってなんだろう
「さ、真由!次は美術室だよ!
一緒に行こう!」
「あ…うん!」
あたしは、絶対に
愛美から離れてはいけない…
そう思った。
愛美という絶対的な安全地帯から
足を踏み出してしまった瞬間
きっと、〝何か〟に
食べられてしまう。
「真由…さ。
前の学校で…
いじめられてた人とかいた?」
ほかの学年はどうだか
知らないけれど、
あたしたちの学年にはなかった。
「ううん、そういうのはなかったよ。
特にあたしのクラスは仲がいいので
有名だったなぁ…」
「へぇ…うらやましい…ね」
「…愛美?」
なんて、さみしそうな表情だろう。
「え、ううん!なんでもない!
ほら、早くっ!
実はこっちの方が近道なんだよー!」