ともだちってなんだろう
「…ねぇ?」
愛美が同意を求めるようにほかの子に視線を向けた。
その子は戸惑ったような顔を見せて、
「…うん、そうだよ」とあたしに言った。
…まぁ、クラスに一人はいるよね。
そういう子…。
と、思いながらもどこかでおかしいと
思う気持ちがあった。
でも、きっとこれを気にしたら
あたしはこの学校に
いられなくなる―――。
それを感じたあたしは、
気にしないことにした。
「…まぁ、あの子の事は
あんまり気にしない方がいいよ?
あ、もうすぐ授業始まるね!
みんな、席に着こう!
おしゃべりはまたあとでね!」
はーい、と男子までもが席に戻りはじめる。
一人の黒髪セミロングの女の子が、
愛美の元へと駆け寄り、
「愛美ちゃん!ありがとう!
私が言っても聞かないからさ…。
これからも、よろしくね!」
と、愛想よくニコニコ笑って席に着いた。
「…あの子は?」